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まだ序章みたいなものですね。
本筋にはまだまだです。

シュナ兄様の黒さが出てると良いのだけれど・・・。

というか読者の方はまだ何が何だかだと思います。
濁してる部分多いので。
でもよく読んだらピンッと来るんじゃないかと。
なんせ管理人の頭で考えてることですから。




ロイド・アスプルンドは夜も深まった時刻、皇家の中でもエル家の有する離宮の一角へと来ていた。
もちろん本人は不本意もいい所なのだが、周りからは友人と言われる者からの呼び出しとあってはふいにすることなど許されるはずもなく致し方なく嫌々ながら足を運んでいた。
そして目的地へと着くと夜更けと言うこともあり控えめに扉を叩く。
ロイドとしては嫌がらせしてもいいのだが後々面倒なのでやめた。
 
「どうぞ」
 
「はぁ~いぃ」
 
部屋の奥。
一人、ティーカップを傾けるはシュナイゼル・エル・ブリタニア。
この大国、神聖ブリタニア帝国の第二皇子にして次期皇帝と囁かれる人物だ。
 
「殿下、なんですかぁ~? いいところだったんですけどぉ」
 
ぶちぶちと文句を言いつつシュナイゼルの向かいに腰かける。
本来なら許されない行為だが、この二人の間ではいつものことであるのと同時に何故かシュナイゼルの機嫌が良いので何の嫌味を言われることもなくロイドは席に付くことを許された。
 
「何、美しいアメジストを手に入れてね」
 
「殿下なら、たぁ~くさん手に入れられるでしょぉ」
 
「ふふっ。唯一無二のものなんだよ。そこでそれを是非、君に守ってもらいたくてね」
 
「僕にぃ~?」
 
面倒事は御免だと肩を竦め嫌そうに眉を顰める。
シュナイゼルはそんなロイドを気にする風もなく、その秀麗な容貌にロイヤルスマイルを浮かべると言い放つ。
 
「『命令』と言っても?」
 
「貴方がそこまで言うなんてねぇ」
 
胡散臭いものでも見るかのように眼鏡の奥の薄い瞳を眇めながら「何を企んでいるんですぅ~?」とシュナイゼルに問う。
シュナイゼルはそれに対し、先程まで浮かべていたロイヤルスマイルからやや薄暗いものへと変え、それも長年の付き合いのロイドにしかわからない程度の変化だが、一旦深く椅子に腰掛ける。
そしてその紫眼をふと伏せると考え込む仕草をする。
 
「君は知っているかな? 我が弟。第十一皇子ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアのことを」
 
「えぇ、それはもちろん~。なんせあのマリアンヌ様の実子ですからぁ~」
 
「そうだね。では最近のあの子の趣味を知ってるかい?」
 
「知る訳ないですよぉ」
 
「チェスだよ」
 
「殿下と同じですねぇ」
 
「あの子は今は弱いがすぐに強くなる」
 
「んん~?」
 
ロイドの中でピースとピースが合わさってゆく。
それは最悪な方向に。
 
「もしかしてぇ」
 
「ふふ」
 
「酷い兄ですねぇ」
 
自分も最低な友人を持ったものだと思いながら、それをさして止めない自分も酷い人間だと心の中で哂う。
自分の非難にも変わらず微笑み続ける友人に呆れながらも先程の『命令』の方が気になって仕方がない。
 
「守れってことは騎士ですか?」
 
「そうだね」
 
「それだけじゃないんですねぇ。面倒は嫌ですよぉ、僕」
 
あーあ、と言いながら立ち上がり「差し詰め、最初のお仕事は皇子様のお守りですかぁ」とふらふらと扉へと向かう。
シュナイゼルは背を向けるロイドに対して一言。
 
「ミイラになってもらっては困るよ。じゃないと君を選んだ意味がないからね」
 
「はいは~い。わかってますよぉ」
 
 
 
この後、ロイド・アスプルンドは幼い皇子と出会うこととなる。
 
 

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