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スザ誕小説第1弾。
この間upしたのとだいぶ被ってます。
すみません。
書いた時期が違うんです(言い訳)




「ルル、もう寝ないと」
 
午後11時になっても寝ない子猫にスザクは困っていた。
ルルーシュはというと何かを抱き締め、尻尾でスザクの腕を叩きながらうとうととしながらも、首をひたすら横に振るだけ。
いつもなら8時には寝ているのに…とスザクは心配になるが、本人に寝る気がないようだからどうしようもない。
 
「まだ、寝ない!」
 
スザクの膝の上、耳を垂れ、どうにかこうにか起きているという状態のルルーシュ。
スザクはその揺れる小さな頭を撫でる。いつ撫でても触り心地の良い髪だ。
ルルーシュは猫の姿の時も美しいが、人型もとっても可愛らしい。
それがスザクにはたまにつらい。
そんなことを思っているとルルーシュはすりすりと擦り寄ってきてゴロゴロと喉を鳴らす。
 
「すざく~」
 
「なーに? ルルーシュ」
 
「ん~…」
 
「くすっ」
 
その可愛らしい様にスザクはメロメロになりながら、自制心を保つのに必死だ。
まだその時ではない。もう少しルルーシュが大きくなってから。
そう思いながら、今はまだ…。
 
「にゃ~…ぅ」
 
「もう寝る?」
 
「…ま、だ」
 
静まる部屋に時計の音だけがやけに響く。
 
―カチカチ
 
そして時計が0時を告げる。
ルルーシュは大事に胸に抱いていたものをスザクに渡しながら「おめでとー」と言う。
最初、スザクはなんのことか分からなかったが、その渡された画用紙に描かれた自分と思わしき絵と文字で察する。
そういえば明日…否、今日は自分の誕生日だと。
 
「ありがとう、ルルーシュ」
 
「ん…」
 
ルルーシュに礼を言うとルルーシュは睡魔に誘われるがままスザクの腕の中で眠りにつく。
それは嬉しそうな笑みを浮かべながら。
そんなルルーシュを起こさない様そっと抱き上げると、ベッドへと寝かせる。
そして自分はまだ残っている仕事でもしようかとその場を離れようとするが、それを許さない手があった。
ルルーシュの小さな手に握られたスザクの服。
スザクはどうすることも出来ないまま、仕方が無いという様子で苦笑し、ルルーシュの横へと寝そべる。
するとルルーシュはスザクの体温に引かれるままその身を寄せ、スザクの胸へとその顔を埋める。
 
「す、ざ…く」
 
「ルルーシュ、本当にありがとう」
 
 
そして二人は仲良く眠りにつく。
 
 
 
それを見ていたのは窓辺から覗く月だけであった。
 
 
 
 
 
【終】
 

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